2018年2月4日日曜日

第67回 別府大分毎日マラソン

​別大マラソンに初出場。記録を狙うには絶好の機会でありながら、体調が不完全な状態で挑むことになりました。



出場の抱負


初心者の頃から憧れていた大会でした。

出場資格は最低でもサブ3.5、さらにサブ3だと控室なども優遇されるなど、普通の市民マラソンとは一味違う競技志向の強い大会です。

2013年の初フルでネットサブ3.5、2回目でグロスサブ3.5を達成していたので、もともと出場資格は問題なかったのですが、どうせ出るならサブ3を狙える走力がついてから…と思っていたら本州のレースで初サブ3を達成し、昨年こそ出ようと思ったら京都マラソンに当選したりと、出場のタイミングを逃していました。

今年は東京マラソンの抽選に6回連続で落選したことをきっかけに、そろそろ大舞台も経験したくなり、2時間50分を切れるうちに別大へ出ておこうと思い、落選したその日のうちにエントリーし、飛行機と宿の手配も完了しました。

サブ3の記録を持っていると定員は無制限で、エントリー期間が終わるまで申し込めますが、遅れてエントリーしたので別府駅や大分駅近くの宿はあまり空いていませんでした。

出た人の話では、まわりが自分と同じくらいの持ちタイムのランナーばかりなのでペースを作りやすく、記録を狙いやすい大会だと聞いていたので、自己ベストの2時間46分を2年ぶりに更新するつもりで入念に調整しました。

満を持して別大に初エントリー。

直前のコンディション


今シーズンは別大に照準を合わせて年末年始のロング走も控え目にし、1週間前には直前の調整を兼ねて館山若潮マラソンの10kmに参加。フルを想定した走り方でも好タイムを出せたので、いよいよ別大で自己ベスト更新を狙うつもりでした。

ところが、館山は寒い1日だったせいか、翌日になって突然風邪をひいてしまいました。

1週間走らないでいると体力がなまるので軽くジョグをしようか、それとも安静にして治療に専念するか悩みましたが、結局週3kmだけしか走れませんでした。

咳や熱のピークは木曜頃で、金曜には落ち着き始めました。

近場のレースならDNSにしたところですが、飛行機も宿も既に払っていてキャンセルも面倒なのでとりあえず別府に向かい、前日には受付を兼ねて別府を12kmスロージョグしました。別ページで詳しく書きます。

ゆっくり12kmなら走れたので、当日は抑えめに走って体調を確認し、異変を感じたら途中でリタイアするつもりでスタートラインには立つことにしました。

温泉で温まり、風邪薬を飲んで当日を迎えました。

前日は別府でゆっくりジョグ。

レース当日


朝起きてホテルから窓の外を見ると、なんと吹雪いていて、道路にも雪が積もり始めていました。天気予報では曇り時々雪ですが、それほど降らない予報なので、とりあえず会場へ向かいます。

別府の最高気温は3度で風速9mの予報。普段は真冬でもレースはタンクトップで走りますが、今回は途中でリタイアして体が冷えることも想定されたため、長袖に別大Tシャツを重ね着して、初めて手袋もつけて走ることにしました。

朝起きて窓の外を見ると、なんと吹雪。

路面にも雪が積もり始めている。

フル当日の勝負メシは牛丼屋の朝定食と決めているので、ホテルの朝食をとらず吉野家で朝食。12時スタートのレースは初めてなので朝食のタイミングも慣れませんが、9時頃に少し遅い朝食をとりました。

フルの定番は朝定食。

別府駅から少し遠いホテルなので、大会のシャトルバスよりも路線バスで直接会場に行ったほうが楽だと思い、バス停で待っていると吹雪が寒かったです。

吹雪の中、大分方面行きのバスを待つ。

路線バスで会場の「うみたまご」入り。先ほどのバス停から7kmですが、このあたりは雪が全然降っておらず晴れていました。

テレビで見たスタート地点の風景へついにやって来ました。

スタート会場のうみたまご。

テレビで見たスタートの風景についにやって来た。

3時間以内の持ちタイムがあるランナーは「おさる館」が控室なので入ると、ランナーでごった返していました。カテゴリー2・3は2階、2時間30分以内のカテゴリー1は3階なので、快適に過ごしたかったら2時間30分以内を出すしかないようです。これが噂に聞いていた別大カースト…!

サブ3の控室、おさる館。

2階はランナーでごった返していた。全員サブ3。

荷物預けの終了時間が近づいてきて外に出ると海風が冷たく、今まで経験したレースの中で一番寒く感じました。普段は寒さが得意ですが、風邪をひいていることに加えて、今日の寒さが度を過ぎているようです。

昨日買っておいたバナナとカステラを食べようとしましたが、風邪で食欲がないためか、あまり食べられませんでした。

自衛隊の輸送車に荷物を預けて、おさる館前のプレラインアップに向かいます。他のレースと違ってナンバー順に整列場所が細かく指定されており、周りはみんな自分と同じ持ちタイム2時間46分台のランナーばかりです。

自衛隊の輸送車に荷物を預ける。

プレラインアップ。整列場所は細かく指定されている。

普通の大会ならレース1時間前には交通規制がかかりますが、別大はスタート直前に交通規制が始まり、車を止めてプレラインアップからスタート地点に移動します。

交通規制が始まりプレラインアップからスタート地点へ移動。

また、普段はスタート前に大会長やゲストランナーの挨拶などがあるところですが、そのようなものは一切なくスタートが近づいてきたため、2分前になってようやく気づき、慌ててガーミンをスタンバイしました。今頃テレビカメラの向こうでは招待選手の紹介をしている頃でしょうか…。




別府大分毎日マラソンのコースは、うみたまごをスタートして別府市街を折り返し、大分市街へ移動して折り返してから大分市営陸上競技場にゴールします。海沿いのコースで川を渡る橋の僅かなアップダウンしかなく、つくば以上にフラットなので好記録が期待できますが、年によって海風の影響を受けるようです。


10秒前、On your marks...

レース展開


0km~5km 19:56 (3:59/km)

1km 4:00
2km 4:02
3km 3:56
4km 3:57
5km 4:01


私より前に並んでいるランナーの数は北海道マラソンと同じ程度ですが、北海道はスタートが両側6車線なのに対し、別大は片側3車線なので北海道よりも渋滞しました。

しかし、ランナーの密度は多いのにペースは4:00/kmで進んでおりスムーズでした。

また、他の大会では無理なスピードで飛び出していくランナーもいますが別大はおらず、周りはみんな自分と同じくらいの記録を持っているランナーだからこそ、それぞれ自分のペースをわきまえているのだと思います。

序盤は体調を確認しながら抑えるつもりでしたが、周りの流れに乗っていたら自然な感じでレースペースの4:00/km弱で入れました。

別大国道のシーサイドコースを3kmほど抜けて、別府市街に入っていきます。

咳込みながら走っていたら周りのランナーにギョッと見られました。

5km~10km 20:15 (4:03/km)

6km 4:01
7km 4:04
8km 4:04
9km 4:03
10km 4:03


前半は向かい風を心配していましたが、ランナーの数が多いため壁になってほとんど気にならず、まわりのペースに運んでもらって楽に4:00/kmが出せました。

このまま行けば2時間48分台…と思いましたが、今日の体調で最後まで持つはずはないと考え、意図的に4分は切らない程度までペースを落としましたが、今のところは楽なので4分1桁でいくことにしました。

少し走ると暑くなってきたので、手袋をポーチにしまいます。何度か写真を撮りながらサブ3で走った経験のおかげで、手袋をしまう動作もペースを落とさずに行えました。

先ほど雪が積もっていたあたりは既に晴れていて、雪もなくなっています。

9km手前で先頭集団とすれ違い、その後はしばらく空いてから先行ランナーとすれ違い始めました。

10km~15km 20:13 (4:03/km)

11km 3:58
12km 3:57
13km 4:03
14km 4:06
15km 4:09


10km直前で折り返し、来た道を大分方面へ向かっていきます。

昼過ぎの日差しを正面から受けると暑く感じ、初めて厚着でフルを走ることもあり汗を多くかいているようなので、給水は十分にとるよう心がけました。幸い、別大は給水所の数が多いので助かります。

咳止めの薬が効いてきたようで、次第に咳も落ち着いてきました。

15km~20km 20:34 (4:07/km)

16km 4:06
17km 4:09
18km 4:05
19km 4:05
20km 4:08


18kmから再び海沿いのシーサイドコースに戻ります。

カーブには内側が低くなるように傾斜が設けられており、車なら遠心力と釣り合うように設計されていますが、ランナーには走りにくかったです。メリットは少しでも低いところに向かう習性でカーブのイン側に向かえることくらいでしょうか…。

20km~25km 20:42 (4:08/km)

21km 4:06
22km 4:08
23km 4:08
24km 4:11
25km 4:08


ハーフ通過は1時間25分29秒。

風邪でフルを走るのは初めてで何が起こるかわからないので、異変を感じたらハーフあたりでリタイアするつもりで、楽に感じるペースまで抑えて走りましたが、今のところ順調で、このまま完走できそうです。

とはいえ、無理をできる体調ではないので、後半はもう少し抑えることにしました。それでもこの調子なら2時間55分は余裕、2時間52分くらいのゴールになりそうです。

25km~30km 20:58 (4:12/km)

26km 4:11
27km 4:09
28km 4:15
29km 4:08
30km 4:15


海沿いを抜けて大分市街を走っていきます。

残り15kmで残り時間を計算すると、4:20/kmまで落ちても2時間55分は切れるようなのでひと安心しました。

28km地点で突然、普段は40km前後で感じるようなエネルギー切れのような前兆を感じました。と言っても少しペースを落とせば問題はなさそうです。

29km地点で大分川を渡り、ゴールの陸上競技場からいったん遠ざかります。ここから往復の残り12kmくらいならなんとか持つはずです。

30km~35km 22:07 (4:25/km)

31km 4:19
32km 4:22
33km 4:25
34km 4:28
35km 4:33


工場沿いの産業道路で代わり映えのしない風景を5km進んでいきます。

28kmから感じ始めた違和感は少しずつ大きくなり、無理をして止まらないように少しずつペースを落としていきました。

ペースが遅くなったぶん1kmごとの表示が遠く感じるようになりますが、ここまで平均4:05/kmで来ており、残りは仮にキロ5分まで落としてもサブ3は可能なので、目標を下方修正しました。

35km~40km 26:32 (5:18/km)

36km 4:48
37km 5:12
38km 5:25
39km 5:32
40km 5:35


35kmで折り返すと、突然西からの向かい風を感じ、ここまで長く追い風の恩恵を受けていたことに気付きました。

向かい風で冷やされたことが原因かはわかりませんが、35kmを過ぎると突然目まいを感じ、ペースを落とさなければ倒れそうになりました。

今までフル終盤で感じるエネルギー切れとは異質な感じで、低体温症か、あるいは風邪の悪化かもしれません。

ここでリタイアすることを考えましたが、ちょうど競技場から7km離れた場所で、収容車を止まって待つと風に体を冷やされて危険なように感じたので、倒れないようなギリギリのところまでペースを落とし、スロージョグで競技場に帰ることにしました。

ペースを落として向かい風を受けるとすぐに体が冷えてきて、再び手袋をつけます。

邪魔にならないようにコースの端に除けてゆっくり走りますが、2時間55分を狙う集団らしき足音に抜かされ、その後3時間を狙うであろう集団にも抜かされました。

35km地点で4:08/kmだったガーミンの平均ラップがどんどん落ちていくのをどうすることもできず、時々まだ意識があることを確認しながらゴールを目指しました。

40km~42.195km 12:24 (5:39/km)

41km 5:42
42km 5:38
42.195km 1:05 (5:32/km)


普段のフルなら苦しくても残り2.195kmは気合いで乗り切れるところですが、今日は根性論どころではなく完全に危険な状態なので、倒れないようなペースでゆっくりゴールを目指します。

ゴールが近づくと沿道から応援の声も増えてきますが、近くで応援しているはずの人の声が遠くのように聞こえ、いよいよ意識が朦朧としていることを感じました。

陸上競技場のトラックに入ってもスパートはできず、そのままキロ6分近くまで落としてゆっくりゴールしました。

グロスタイム 3:03:50
ネットタイム 3:03:41 (4:21/km)
前半ハーフ 1:25:29 (4:03/km)
後半ハーフ 1:38:12 (4:39/km)


大分市営陸上競技場のゴール。

レースを振り返って


他の大会では2時間50分以内だと単独走が多くなりますが、別大は周りに自分の持ちタイムと同じくらいのペースのランナーが多く、集団に運んでもらえるため、特にサブ3の先を目指すランナーにとっては記録を狙いやすいレースと感じました。

30kmまでは順調だったため、風邪でも2時間55分くらいなら余裕と思っていましたが、突然経験したことのないような症状になり、35km以降は過去ワーストのラップタイムまで落ちてしまいました。

途中まで欲を出してしまいましたが、やはり、2時間55分どころか3時間すら風邪をひいて出せるほど簡単ではなく、途中でリタイアするべきだったかもしれません。

しかし、どのような言い訳をしたところで、大会の記録に残るのは完走タイムの1行だけ。そこには、風邪をひいていたとか、低体温症になったとか記載されることはありません。

今回の悔しさを晴らすため、来年もう一度走りに来ます。

一昨年の佐倉の記録が使えるのは今年で最後ですが、幸い、昨年のつくばで2時間48分台を出しているので、来年もカテゴリー2は確定しています。

更衣室へ向かう。カテ2の動線にはもうほとんど人がいない…。

不完全燃焼。来年必ずリベンジに来たい。

レース後


ゴールして止まったら咳が止まらなくなり、フィニッシャータオルを受け取って落ち着くまでタオルに咳を続けました。

カテゴリー2は陸上競技場の更衣室を使えるので、荷物を受け取って着替えました。2時間55分を切れなくても、今日のところは更衣室を追い出されないようなので良かったです。

寒くて仕方なかったので、しばらくストーブの前で温まってから陸上競技場を後にしました。

大分市営陸上競技場を出る。来年は笑顔で帰って来たい。

しばらく温まっていて出遅れたためか、大分・別府方面へのシャトルバスは大行列で、並んで待っていたらまた冷えて危ないと思い、大分駅まで3km歩いて帰りました。

シャトルバスは大行列。

大分駅まで3km歩いたほうが早いと判断。

大分川。

大分城跡。

大分駅。

鶏の像。

昼食をとっておらず腹が減っていたので、駅ビルでとり天定食を食べましたが、大盛を頼んだら予想よりとり天が大きく、食べるのに苦労しました。

とり天定食大盛で撃沈。

電車で別府に帰り、ホテルで温泉に入ってすぐに寝ました。

日豊本線で別府へ帰る。

今回の装備

  • シューズ: Nike Zoom Streak 6
  • サングラス: Oakley Custom Radarlock - Sapphire Iridium
  • 時計: GARMIN ForeAthlete 935
  • iPhone 8
  • shotz 2本
  • スーパーヴァームパウダー 2本
  • パブロンS せき止め 2錠

別大のために買ったシューズの力を発揮できなかった…。

2 件のコメント:

  1. エリートの祭典ですね…かっこいいなあー。
    突然の体調の変化はもしかしたら、薬の副作用もあったのかしら。
    わたしは咳止めで朦朧としちゃうので、寝る前にしか飲まないようにしてます。
    しかし本当にとり天がおいしそう!

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    1. 咳止めがなければもっと早くガス欠になっていたかもしれないので、ゴールまでたどり着けただけよかったのかもしれないです。
      来年出直してきます!とり天ふわふわでおいしいですし。

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